カフェの様子

【最新リポート】韓国の新型コロナウイルスの現状~感染対策・街や観光地の様子など~

更新:2021/09/10

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※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、営業時間が変更になっている可能性があります。お出かけの際は各スポットにご確認ください。

最近ニュースで見かけなくなった韓国の新型コロナウイルスは今どんな状況なのか?どんな対策を行っているのか?入国制限についてどうなっているか?など、現地在住者が街や観光地の様子まで、詳しくご紹介していきます。

 

【9月11日現在】韓国の新型コロナウイルス発生状況

3月に大邱市とその周辺の地域で多くの感染者が出たものの、それ以降は感染者数が減り、封じ込めに成功していたと思われていました。しかし8月中旬に発生したソウルの教会で集団感染、さらには8月15日に光化門で行われた大規模集会によって1週間で1,500人以上が感染する事態となり、ソウルやその隣の京畿道を中心に感染者が爆発的に増えました。一時期は1日400人以上の感染者が確認されていましたが、現在徐々に少なくなってきています。

【1日の感染者数(9月11日現在)】
176人
【累計感染者数】
21,919名

光化門
光化門

 

韓国の新型コロナウイルス対策

韓国の徹底した新型コロナウイルス対策はK防疫と呼ばれ、日本でも大きな話題となりました。
中でも1番の特徴といえるのが感染者の動線(行動)と処置の状況を詳しく公開していること。それにより同じ施設やお店を利用していた人たちがいち早くPCR検査を受けたり、外出を自粛するなどの対策をすることができます。

感染者の動線と処置の状況(仁川市中区HPより)

感染者の動線と処置の状況

居住地周辺で感染者が発生したり、クラスターが発生すると送られてくる情報通知の画面。
「クラスターが発生している教会、8月15日に光化門で行われた集会の参加者は必ず検査を受けてください。」と書かれています。

情報通知の画面

感染拡大に伴い、ソウルとその周辺地域(仁川・京畿道)では8月16日よりソーシャルディスタンスの防疫レベルが2段階に引き上げらました。しかしそれでも感染拡大の勢いが止まらなかったため、8月30日からはさらにレベルを2.5段階(最高は3段階)まで引き上げられています。
※2.5段階は9月13日までですが、状況により延長されることがあります。

以下の写真は、韓国保険福祉部から出された首都圏(ソウル・仁川・京畿道)のソーシャルディスタンスレベル引き上げに関する文章です。やむを得ない場合を除いて外出は控え、集まりや約束などは取消し、退勤後はまっすぐ家に帰るようにと書かれています。(韓国保険福祉部の公式HPより)

ソーシャルディスタンスレベル引き上げに関する文章

現在、ソウルとその周辺地域では下記のような措置が取られています。

・ソウル市全域でのマスク着用義務化。室内や人が集まる屋外では、食事などのやむを得ない場合を除きマスクを着用しなくてはならない。

・飲食店では21時~翌5時の間はテイクアウトと配達のみ可能。チェーン展開しているカフェ、ベーカリーショップ、アイスクリームショップでは終日テイクアウトのみ可能で店内飲食は不可。

・室内体育施設の使用禁止。

・首都圏の学習塾はオンライン授業のみ可能。対面授業の禁止。

・療養型病院、介護施設での面会禁止。

 

新型コロナウイルスに関する詳しい情報は、中央災難安全対策本部のサイトで確認できます。

 

入国制限について

政府は4月1日より韓国に入国するすべての韓国人・外国人に対し、14日間の隔離を義務付けています。入国の際には「自己診断アプリ」または「自宅隔離者安全保護アプリ」をダウンロードし、毎日自己診断の内容を登録しなくてはなりません。また、電話での確認も毎日行われます。

観光・ビジネスでの入国

日本人に対しては、3月9日よりビザなしでの入国が全面禁止となりました。これにより現時点では観光・ビジネスでの入国が事実上不可能に近い状態となっています。韓国入国についての詳しい情報は駐日本国大韓民国大使館で確認できます。

 

韓国在住日本人の再入国

6月1日より在留資格を持つ韓国在住の外国人が再入国する場合、再入国許可証と健康診断書の提出が義務付けられました。

 

空港の様子

日本-韓国間の定期便は現在、成田-仁川と関西-仁川の2路線だけが運航していますが、直前に欠航となる場合もあるので注意が必要です。
ほとんどの国際線が運休となっている仁川国際空港は人影もまばらで閑散としています。営業していない店舗が目立ち、中には完全に撤退してしまった免税店もあります。

空港の様子
閑散としている仁川空港・第2ターミナル

一方、国内路線がある金浦空港では感染者数が比較的落ち着いていた4月~8月中旬の間、国内旅行に出かける旅行客で賑わい、済州島行きのチケットはほぼ完売の日が続きました。

 

街の様子

8月24日よりソウルでは室内に加え、公園など人が集まる屋外でもマスクの着用が義務付けられました。

公共交通機関

地下鉄、バス、タクシー、韓国高速鉄道などの公共交通機関にはマスクを着用しなければ乗車できません。地下鉄では定期的に職員がマスク未着用の客がいないか見回りを行っています。地下鉄の混雑状況ですが、新型コロナウイルス流行前に比べ平日の昼間や週末の利用者は多少少なくなったものの、リモート勤務が日本より積極的に行われていないため、出退勤の時間帯の混雑はそれほど変化は見られません。

電車の様子

 

ショッピングモール/大型マート

時間短縮などはなく、通常営業しています。出入口やカート置き場には必ずアルコールが設置されています。入口に熱感知カメラを設置して発熱している人のチェックを行っている店舗も多く、一部の店舗では直接体温を測る方法も取られています。

出入口に設置されたアルコール

また、日本ではコスメのテスターができなくなりましたが、韓国では今まで通りテスターの使用はOKです。

コスメのテスター

 

在来市場

通常営業しています。アーケード内にはアルコールが設置されています。

市場

 

カフェ

8月30日よりフランチャイズ型のカフェでの飲食が禁止され、テイクアウトのみ可能となっています。テイクアウトの際は、入口にある名簿に携帯番号と氏名を記入しなくてはなりません。

カフェの様子

1つの店舗で50人以上のクラスターが発生したスターバックスでは、携帯番号、氏名のほか、身分証明書の確認が必要でした。一般のカフェは21時まで店内で飲食ができますが、それ以降はテイクアウトのみ。テーブルとテーブルは2m(最低1m)の間隔を空け、対角線上に座らなくてはなりません。

 

観光地の様子

新型コロナウイルス拡散防止のため、8月19日より博物館や美術館などの屋内施設は臨時休館しています。

明洞

外国人観光客がいなくなった明洞の街は以前のような賑やかさはなく、名物だった屋台も数えるほどしか出店していません。

明洞の様子

食料品を売るマートやコスメ店など閉店してしまったお店も多く、裏通りには空き店舗が目立っていました。

明洞の様子

 

カロスキル

外国人観光客の姿は見えなくなりましたが、若い女性やカップルが多く訪れ、街には活気があります。週末には満席になっているカフェもあり、外見上は新型コロナウイルスの影響をそれほど大きく受けていないように見えます。

カロスキルの様子

 

景福宮

自由観覧はできますが、解説付きの観覧や守門将交代儀式は休止中です。毎年行われている夜間の観覧も延期となりました。景福宮の敷地内にある国立民俗博物館は8月19日より休館中です。

景福宮の様子

 

ロッテワールド

時間を短縮して営業中です。チケット購入時やアトラクションに乗る際には間隔を空けて並ぶようにされていて、アトラクションの手すりは職員が1回1回消毒作業を行っています。以前に比べると来園人数がかなり減っているため、人気のアトラクションにもほぼ並ばずに乗ることができます。

ロッテワールド

 

韓国のマスク事情

現在、マスクの供給は十分に行われていて、薬局やマート、雑貨店などで簡単に購入することができます。
韓国ではマスク不足で混乱が起きていた今年の3月、「マスク5部制」という国民の誰もが確実にマスクを買える制度を始めました。これは生年月日の年によってマスクを購入できる曜日を決めたもので、1人あたり1週間で2枚のマスクを買うことができるというものです。この制度はマスクの供給が安定した6月まで続けられました。

マスク

韓国の人は主に立体型マスクやデンタルマスクを使用していて、日本のように手作りマスクやフェイスシールドをしている人はほとんど見かけません。

 

韓国エンタメについて

韓国のエンターテイメント関連について、コロナ禍における現在の状況やどんな対策を取っているのかなどをまとめてみました。

大規模公演(K-POPコンサート、ファンミーティングなど)

8月23日より「室内50人以上、野外100人以上のイベント・集会・行事」が禁止されたため、K-POPのコンサートやファンミーティングは延期や中止、またはオンラインでの公演に変更されています。
この措置は今のところ9月20日までとなっているので、延長されなければその後、ソーシャルディスタンスと防疫レベルを遵守しながらの公演が徐々に可能になっていくと思われます。感染者数が落ち着いていた時期には、車に乗ったまま鑑賞するドライブコンサートというユニークな公演も行われました。

 

テレビ番組(ドラマ、バラエティなど)

日本ではドラマ撮影が中止になり4月からのドラマが軒並み延期されましたが、韓国は新型コロナウイルス流行後も撮影が滞ることなく、ドラマの延期は1度もありませんでした。
バラエティ番組でも日本と大きく異なる点があります。韓国のバラエティ番組では、出演者と出演者の間に透明なアクリル板などは見当たらず、それどころか直接触れ合う場面まであります。ロケ番組でもマスクを着用してるのはほとんど見かけることが無く、マウスガードもしていません。
にもかかわらず、韓国芸能界ではコロナに感染したというニュースをほとんど聞かないから不思議です。

 

映画

ドラマとは違い、新型コロナウイルスの影響を大きく受けているのが映画です。8月中旬から始まった感染拡大を受け新作映画は相次いで延期を発表。秋に公開予定だったBTS(防弾少年団)のドキュメンタリー映画やソン・ジュンギ主演のSF映画『勝利号』の公開も延期が決定されました。

映画館では延期された映画の代替えとして過去の名作映画を上映するなどの対策をとっており、来館者の体温測定、1日2回の消毒、座席と座席の距離を十分に空けるなど、防疫レベルを遵守しながら営業しています。

映画館の様子

よこたん
韓国・仁川市に在住して8年目の主婦です。趣味はカフェ巡りと、美味しいパン屋さんをさがすこと、そして日本へ旅行に行くこと。仁川空港のある永宗島から、「韓国の美味しいもの」「楽しいこと」を発信して行きます。

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