フランス旅行上級者も必見!知ってて得する裏マナー【レストラン編】

更新:2019/10/13

7,254views

なんとな〜く緊張してしまうフランスのレストラン。店に入っても気づいてくれない、なかなかオーダーを取りにこない、飲み物が出てくるのが遅いなど、フランスのレストランは日本人に知られていない点があるのは事実です。

フランス旅行上級者でもなかなか知る機会がない、日仏レストランサービスの違いと、裏マナーをご紹介します!

レストランとカフェで違う!入店時の振る舞い方

カフェのテラスの場合

お店側の案内を待たずお客さんが勝手に椅子に座っても大丈夫です。その様子を見ていたウエイターがオーダーを取りに来てくれます。しかしレストランでこれはNGです!

レストランの場合

入店したら”Bonjour!(こんにちは)”と挨拶をして(ディナー利用ならこんばんはの”Bonsoir”)、席に案内されるまで入り口付近で待つのがマナー。気づいてもらえなければ近くにいるウエイターに、仕事の邪魔にならないよう声をけてみてください。

店にもよりますが、多くの場合、客席をコントロールしている担当者がいます。ウエイターが担当者へ取り次いでくれるはずです。

たとえ座りたい席があっても、勝手に座ってしまうのは基本的にNG。そのテーブルには既に予約が入っているかもしれません。勝手にテーブルを使用されるとウエイターからの印象が悪くなり、なかなかオーダーを取りに来てくれない、オーダーした飲み物が届かない等の嫌がらせをされる可能性があります。(このような対応は店側にも問題がありますが・・・)

フランスのレストランサービスで一番重要視されるのは「いかにお客さんを待たせないか」ではなく「いかにレストラン側のオペレーションを乱さないか」です。お店のサービスのクオリティを保つため、店側のオペレーションが優先されます。

なかなか料理がサーブされないのは、お店側の気遣いかも?

日本のレストランで複数の料理を注文した場合、運ばれる時間に若干ズレはあるもののテーブルにはその全すべてが揃って並ぶと思います。一方フランスのレストランでは、お客さんの食事のスピードに合わせて1品ずつサーブされます。

これはフランスの一般的な食事の順番が、アペルティフ(食前酒)→前菜→メイン→デザート→コーヒー又は紅茶という流れだからです。

オーダーした料理がなかなかサーブされないことがあれば、店があなたの食べるスピードに合わせタイミングを待っている、もしくは、あなたが前菜のつもりでオーダーした料理を、店側がメイン料理だと勘違いしている等の可能性があります。ウエイターに確認してみましょう。

電車やバスの都合で食事を急いでいる場合、オーダーの時点で「急いでサーブしてもらいたい」「料理の関係なくサーブして欲しい」等お願いしてみましょう。レストランも可能な範囲で融通をきかせてくれます。店を出る際、チップを少し多めに残すことも忘れずに!

フランスの食文化は基本的にコースですが、アペルティフや前菜、デザート、コーヒー等不要ならオーダーしなくてももちろん大丈夫です。

日本人の永遠の課題・・・フランスのチップ事情

一般的な相場は、お食事代の5%。もちろん気持ちの良いサービスを受けた場合のみ残します。フランス人も日常的にそのようにしています。ウエイターに何かお願いをしたり、レストランに長居してしまった場合には少し多めに残すのがマナーです。

人種差別ではないのですが、日本人はチップを置いていく文化がないからサービスは適当で大丈夫。でもイギリス人はチップをたくさん置いていく習慣があるから、しっかりサービスしなくちゃ!と思っているウエイターも残念ながら存在します。なんとなく周りのお客さんとのサービスの違いを感じてしまったら、フランス人風の振る舞い方でウエイターに接してみてはいかがでしょうか?

ウエイターの一挙一動にMerci(メルシー)! フランス人風の振る舞いにチャレンジ

フランス人風の振る舞いにはアイコンタクトと笑顔が必須!ウエイターの一挙一動には、常に笑顔でMerci(ありがとう)!と声かけましょう。ちょっと小粋なフランス人のように、余裕があればジョークを挟みながらオーダーしてみるのもいいかもしれません。

会計時にはウエイターと目線を合わせてにっこり笑顔。料理の感想と感謝の気持ちを伝え、”Au revoir, Bonne journée(さようなら、よい1日を)!”と言って店を出ましょう。やり過ぎに感じるかもしれませんが、フランスではこれが普通。レストランに限らず商店、駅、ホテルでも、常にこれでもか!というほどメルシーが飛び交っています。

「ウエイターとお客」の関係も「人と人」 。尊敬の気持ちを忘れずに!

ウエイターを尊重すれば、ウエイターもこちらを尊重してくれます。たとえフランス料理には舌が肥えている、という自信があっても、店を試すような尊大な態度は絶対にNG。「ウエイターとお客さん」という関係も、フランスでは「人と人」という関係なのです。

日本の至れり尽くせりのサービスに慣れきっていると、フランスでは戸惑うことも多いかもしれません。レストランに限らず、対応してくれるスタッフを尊敬し、気持ちのよいコミュニケーションをとる文化が大切にされていますので(スタッフの言動に問題があればお店が責任をとりますのでご安心を!)、ぜひ相手を尊重する気持ちを忘れず、フランス旅行を楽しんでくださいね。

クク
トラベルアドバイザー、ライター、フランスエキスパート(フランス政府観光局公認)、レイルエキスパート(レイルヨーロッパジャパン公認)。海外専門の旅行会社に長年勤務し、世界数々の辺境秘境を訪ねました。フランスではモンブランの麓シャモニーでレストラン勤務の経験も。ハイキングと美術、映画が大好きです。

このライターの記事一覧

AREA

地域


閉じる