ムンクの『叫び』はオスロにあった!Munchmuseetムンク美術館

更新:2020/01/26

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「ヒョオ~!」と頬を抑えた表情と真っ赤な背景で知られるムンクの絵画『叫び』。ノルウェーのオスロに所蔵されているって知っていますか?

ムンクミュージアムへの行き方

ムンク美術館は市内からメトロで行くことができます。降りる駅はTøyen(トイエン)駅。また、バスでも行けます。バス停の名前はMunchmuseetです。

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駅を降りてから美術館までは歩いて10分もかかりません。5分くらい歩くともう美術館が見えてきます。

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チケット料金

チケットは大人120NOK、学生だと半額の60NOKです。北欧の美術館は、25歳以下だとだいたい無料か、通常の大人料金よりもずっと安い金額で入れることが多いです。

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これは、幼い頃からアートや音楽に触れさせようという考え方が浸透しているため。本物が破格の値段で見られるのでオトクです!

ムンクってどんな画家?

あの「ヒョオ~!」という表情のインパクトが強すぎて作品ばかりが注目されがちで、ムンクがどんな人か知っている人は少ないですよね。本名はエドヴァルド・ムンクといい、ノルウェーのクリスチャニア(現在のオスロ)で生まれました。ムンクさんはこんな顔をしています。

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Edvard Munch『Self-Portrait in Broad Brimmed Hat』

軍医のお父さんの元で育ちますが、幼くしてお母さんを結核で亡くし、お姉さんも同じ病気で亡くしています。本人は喘息に苦しみ、引っ越しも多いなど幼少期はなかなかタフな生活を送りました。この頃の気持ちを現した、死をテーマにした作品も多いです。(公式サイト「The Life of Edvard Munch」ページ1863、1864~1882より)

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Edvard Munch『Madonna』

工科大でエンジニアとして学んだのちに画家としての人生を歩み始めますが、早い時期から大きな展覧会でデビューして注目されます。生涯を通して助成金や財政支援を受ける機会に恵まれ、展示会のオファーがやむこともありませんでした。(公式サイト「The Life of Edvard Munch」ページ1864~1882欄より)

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Edvard Munch『Vampire』

ムンクは暗〜い絵がけっこうあって、タイトルも「sick」「death」という言葉が目立ちます。それらの絵が描かれた時期の作品は「愛」「病気」「死」をテーマにしていて、「The Frieze of Life」と呼ばれています。上で紹介した『マドンナ』や『ヴァンパイア』もこのシリーズです。ムンク作品のなかでも重要なテーマです。(公式サイト「The Frieze of Life」ページより)

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反面、ムンクは明るい絵もたくさんあります。フランス、ドイツ、イタリアなどヨーロッパ各地で展示会を行っていた影響もあり、ムンクが友人宅を訪れる時に見た景色、お父さんを連れて散歩した土地の景色など、美しい風景画も数多く描いています。(公式サイト「Landscape」ページより) 

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Edvard Munch『The Sun』

60代後半ごろから目の病気を患いますが、亡くなる直前まで精力的に画家活動を続けたため多くの作品が世に残りました。自分で所有していた作品はすべて、本人の意志によってオスロ市に寄贈されたそうです。(公式サイト「The Life of Edvard Munch」ページ1930~1939欄より)

ついにご対面!

ムンク作品はこれしか知らない!という人も多いほど有名ですよね。『叫び』は、先ほど紹介した「The Frieze of Life」シリーズの一作で、ムンク作品のなかでも特に重要な作品。「愛」「病気」「死」の3つのテーマのなかで、「愛」をテーマにしています。

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『The Scream』

ムンクが30代前半にベルリンに滞在していた時、よくつるんでいた仲間はヨーロッパ各国から来ていた彫刻家や音楽学生、作家たち。彼らは、愛の創造的な力と破壊的な力、女性らしさ、男性らしさに関心が高く、その影響を大いに受けたのだそう。『叫び』はその時期に生まれた絵です。(公式サイト「The Life of Edvard Munch」ページ1893~1895欄より)

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これが愛!?と思った人も多いかもしれませんが、もし破壊的な面を描きたかったのだとしたらなんだか納得しませんか?

ちなみにムンク作品は、リトグラフ(石版画)、パステル画、クレヨン画など、描いた時期によって違うテイストの同じ絵がたくさんあり、何度も同じテーマに取り組んでいるのも特徴です。

館内自由展示

絵のほかにも、館内にはいろんな展示があります。映像や音声情報など、聞いたり触ったりできる体験型の仕掛けはぜひトライしてくださいね。

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このテントは宗教的な儀式に使われるものだそうですが、こんな展示もあります。

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ミュージアムショップ

美術館に来たら、お洒落でセンスのいい雑貨のチェックも忘れずに。

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ムンクの名言をプリントしたトートバッグやカラフルな色鉛筆など、普段使いできるものがたくさんあります。

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また美術館のために制作されたムンクモチーフのアイテムなんかもありますので要チェックです。

カフェSTOCKFLETHS

館内にはカフェも併設されています。美術館と同じく10:00〜16:00の営業時間です。夏季シーズンはテラス席がオープンするそうですよ。(営業時間Stockfleth's Coffee Shop)

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カフェの入り口では、あの「ヒョオ~!」の人形が出迎えてくれます。

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これを買って帰りたかったのですが、残念ながら非売品でした。

『叫び』の舞台になったといわれる場所

この景色を見て何かピンときませんか?そうです。実は、ムンク美術館からバスで20分くらい行ったところに、『叫び』の舞台になったといわれる高台があるんです。

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スマホに絵を出して見比べてみました。どうでしょうか?

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本当は、もっと日が落ちる前に到着したかったのですが、バスの乗り方に手間取ったり、バスがちょっと遅れたりすると、このようにみるみる日が暮れてしまいます・・・。

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あの絵をリアルに感じたいんだ!という人は、空がオレンジになる時間をできるだけ長く堪能できるように、早めに着くようにしましょう。

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行き方はバスで。Brannfjellveienというバス停で降ります。中央駅からだと20分ほど、ムンク美術館のあるトイエン周辺からでもそのくらいかかりますのでご注意を。

2020年新しいムンク美術館がオープンします!

ムンク美術館は、所蔵量が多すぎて保管されたままの作品がたくさんあったそうです。でも2020年春、それらの作品を世に出すために、今より大きなムンク美術館がオープンします!

場所は、今の美術館から車で10分ほどの距離にあるBjørvika(ビョルヴィカ)というエリアです。

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新しいムンク美術館

まるで国立図書館か大学のキャンパスのような風貌。建物にはリサイクルできる鉄筋やコンクリートが使われているそうです。

デザインも使用資材も北欧らしい!最上階には景色を眺めるスペースやレストランがつくられ、ムンクの作品が今よりもっとたくさん常設展示されるそうですよ。(公式サイトオープンについてのページより)

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外側は自由に見学できる

ムンク作品のほとんどはムンク美術館に所蔵されていますが、一部はオスロ大学やスウェーデンのヨーテボリ美術館などにも展示されています。周遊旅の際はぜひ見に行ってみてくださいね!

Munchmuseet

住所Tøyengata 53, 0578 Oslo

電話番号(+47)-23-49-35-00

営業時間10:00~16:00※祝祭日は変更の可能性があるため公式サイトをよくご確認ください

URLhttps://munchmuseet.no/en/visit

※2020年の休館予定日:5月1日、5月17日

旅Pocket 編集部
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