天橋立

日本三景「松島・天橋立・宮島」とは?どこにあるの?どんな絶景が楽しめる?【丸わかりガイド】

更新:2022/07/28

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日本三景とは、宮城の松島、京都の天橋立、広島の宮島のこと。日本を代表する美しい風景である日本三景の具体的な場所やアクセス方法、どのような絶景が楽しめるのかまでをそれぞれじっくりご紹介します。なぜこの3つが日本三景と呼ばれているのか疑問に思う方のために、選ばれた理由や誰が選んだのかも解説します。

日本を代表する美しい風景、日本三景とは?誰が選んだの?

日本三景

日本三景とは、宮城の松島、京都の天橋立、広島の宮島のことです。これらの場所が日本三景と呼ばれるようになった背景には、儒学者・林春斎が記した「日本国事跡考」があります。

江戸時代初期、全国を行脚した林春斎は、日本国事跡考の中で日本三景となる3つの場所を「三処奇観」と記しました。以来、日本三景は日本を象徴する絶景として、数々の和歌や文学、歴史の表舞台に登場し、日本中で親しまれてきました。

日本三景はどの場所も美しい海と自然が望めるため、「神が造った美の景色」といわれ、いつの時代も多くの人々を魅了し続けています。なお、林春斎の生まれた日にちなみ、7月21日を「日本三景の日」としています。

日本を囲む3つの海と景色が各地で楽しめる

遠く離れた宮城と京都、広島の日本三景には、3つとも海が望めるという共通点があります。しかし、海は海でも宮城の松島は太平洋、京都の天橋立は日本海、広島の宮島は瀬戸内海なので、それぞれの環境や景観はもちろん、漁獲できる魚介の種類も異なります。

そのため、日本三景を巡る旅は、東北地方、近畿地方、中国地方に渡る「3つの海を巡る旅」とも呼ばれています。

日本三景ぞれぞれの魅力をざっくりとご紹介!

【松島】
松島は、太平洋の雄大な地平線と共に、260の島と自然美が望める稀有な景勝地です。周辺には五大堂や松島湾内観光船のほか、みちのく伊達政宗資料館などの仙台藩祖伊達政宗公に関連する観光スポットが点在しています。

地元グルメは松島かきやあなご、あさりといった魚介類はもちろん、宮城県産ササニシキを原料に焼き上げられた「松島こうれん」が人気です。

松島へは、仙台駅から松島海岸駅まで約40分、そこから徒歩約10分でアクセスできます。

【天橋立】
天橋立は、日本海をバックに全長約3.6km、約5,000本以上の松が茂る景勝地です。天橋立は見る場所によって景観が変わり、四大観といわれる「飛龍観」「股のぞき観」「一字観」「雪舟観」のビューポイントがあります。

周辺には、天橋立を眺める天橋立ビューランドや天橋立傘松公園のほか、天橋立神社など神社も多いのでパワースポット巡りも楽しめます。

松葉蟹と岩がきが地元グルメとして有名です。そのほか、小さな餅に餡をたっぷりのせた「知恵の餅」も人気があります。

天橋立へのアクセスは、京都駅から天橋立駅へ特急列車「はしだて」で約2時間です。

【宮島】
「神が宿る島」といわれる宮島は、瀬戸内海に立つ厳島神社の色鮮やかな大鳥居が見どころです。周辺には、世界文化遺産に認定されている厳島神社や弥山の原始林のほか、厳島神社五重塔、豊国神社といった歴史的な名所も多数あります。

豊かな味わいを誇る牡蠣や、あなごめしが地元グルメとして人気です。また、広島の銘菓「もみじまんじゅう」を天ぷらにした「揚げもみじ」は、宮島の食べ歩きの名物となっています。

宮島へのアクセスは、JR広島駅から山陽本線で宮島口駅まで約25分、そこからフェリーで約10分です。

260余島を望む絶景や島巡りが魅力【松島】

松島
写真提供:宮城県観光プロモーション推進室

宮城県に位置する松島は、松島湾に浮かぶ260もの島と太平洋が同時に望める日本三景の1つです。かの松尾芭蕉や伊達政宗をも魅了したといわれる松島の多島美は、現在、日本の特別名勝や県立自然公園に指定されています。青い海に浮かぶ緑色の松が織りなす色のコントラストは、多くの人の心を奪うことでしょう。長い歴史と共につくりだされた自然美を思う存分楽しめます。

松島の絶景の楽しみ方①:松島湾内観光船で海上からの景色を!

松島 フェリー
写真提供:宮城県観光プロモーション推進室

松島の絶景を満喫したい人には、松島湾内観光船がおすすめです。観光船には、松島湾の名勝仁王島をはじめ鐘島や桂島などの風景を楽しめる⼤型船と、松の枝ぶりや島を間近に見られる小型船・中型船があります。

一番人気は、大型遊覧船に乗って松島海岸からでは見られない松島湾独特の島々や風景を巡る「仁王丸コース」です。手頃な価格で約50分間の船旅が楽しめます。
https://www.matsushima.or.jp/

松島の絶景の楽しみ方②:四大観(しだいかん)で異なる眺めを楽しむ

松島 四大観
写真提供:宮城県観光プロモーション推進室

松島の島々を一望できる名所を四大観といい、それぞれの場所に「壮観」「麗観」「偉観」「幽観」という名称が付けられています。

・「壮観」大高森(おおたかもり)
松島湾の東側の山頂から松島を望め、松島の形状を箱庭のように楽しめます。

・「麗観」富山(とみやま)
富山観音がある大仰寺の庭から、趣のある松島を大観できます。

・「偉観」多聞山(たもんざん)
七ヶ浜町の北端・代ヶ崎の断崖から、雄大な松島を眺められます。

・「幽観」扇谷(おうぎだに)
双観山の背後にある高地で、松島の全景が眺められるビューポイントです。

絶景以外にも「食べ歩き」や「歴史散策」が楽しめる!

松島 牡蠣
写真提供:宮城県観光プロモーション推進室

松島では絶景だけでなく、グルメの食べ歩きや歴史散策なども楽しめますよ。たとえば、松島湾でとれた新鮮な魚介が並ぶ「松島さかな市場」では、約1,500種類の魚や貝が売られています。特に、アツアツぷりぷりの焼き牡蠣が好きなだけ食べられる「焼き牡蠣食べ放題」が人気です。また、枝豆やそら豆をすりつぶした「ずんだ」スイーツもバリエーション豊富に揃うので、食べ歩きもおすすめです!

一方、松島には国の重要文化財に指定された五大堂や瑞巌寺、円通院などが点在しているので、歴史的建造物巡りをしながらの散策も魅力的です。

松島で行われるイベント

松島で開催されるイベントには、次のようなものがあります。

・初日の出クルーズ(元旦)
1月1日の早朝から運航する初日の出クルーズは、松島湾海上から初日の出を拝めるイベントです。

・瑞巌寺大施餓鬼会(8月)
瑞巌寺大施餓鬼会(ずいがんじおせがきえ)は、東日本大震災の年に始まった8月15日~16日に開催されるお祭りです。先祖供養や灯籠流し、盆踊りなどを行います。

・松島紅葉ライトアップ(10月中旬〜11月中旬)
松島紅葉ライトアップは円通院庭園や瑞巌寺参道、観瀾亭など円通院を中心に行われるイベントです。紅葉の見頃に合わせて、モミジやカエデがライトアップされます。

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全長3.6km続く白砂青松の絶景【天橋立】

天橋立

全長3.6kmの砂地に、約5,000本もの松が茂る京都・天橋立は、まるで天に舞う架け橋のよう!神秘的な景色に、思わず言葉を失うでしょう。

また、天橋立には、観る場所によって見え方が変わる特徴があります。四大観と呼ばれる「昇龍観」「飛龍観」「雪舟観」「一字観」は、美しい天橋立を心ゆくまで堪能できるビューポイントです。

天橋立の絶景の楽しみ方①:展望所のある遊園地「天橋立ビューランド」から股のぞき!

天橋立ビューランド 股のぞき

天橋立の四大観のうち「飛龍観」は、京都府宮津市に位置する「天橋立ビューランド」内の股のぞき台から見られます。股のぞきをせずに見る天橋立は龍が降臨する姿に見えますが、台に乗って股のぞきをすると、天橋立が天に舞い上がる龍に見えるのです。このことから、天橋立ビューランドからの景色は「飛龍観」と呼ばれています。
https://www.viewland.jp/

天橋立の絶景の楽しみ方②:四大観(しだいかん)で多彩な眺めを満喫

天橋立

天橋立の四大観には、「昇龍観」「飛龍観」「雪舟観」「一字観」があげられます。2020年に登場した「天平観」を加えて五大観とすることもあります。

・昇龍観
天橋立を北側から一望できる傘松公園では、天橋立が天に昇る龍のように見えます。

・飛龍観
文殊山にある遊園地「天橋立ビューランド」から見る天橋立は、天に舞う龍のよう。そのため、「飛龍観」と呼ばれています。

・雪舟観
海を挟んで東側にある獅子崎稲荷神社からは、有名な水墨画家・雪舟が描いた「天橋立図」に似た景色が見られます。

・一字観
天橋立の西側に位置する大内峠から見た天橋立は、横一文字に見えることから「一字観」と呼ばれています。

絶景以外にも「パワースポット巡り」や「ビーチ」が楽しめる!

天橋立海水浴場

天橋立周辺には、天橋立神社・元伊勢籠神社・真名井神社と天橋立を守るように神社が点在しています。これら3つの神社を巡る三社参りもおすすめです。そのほか、日本屈指のパワースポットといわれる智恩寺や成相寺などもあるので、パワースポット巡りを楽しむのもよいでしょう。

さらに、天橋立から徒歩1分の場所にある天橋立海水浴場は、海の透明度が高く、白い砂浜と青い海が楽しめるビーチです。波も穏やかなので、ゆっくり海を眺めて過ごすのもおすすめ!夏の夜には、砂浜をライトアップするイベントもあります。

天橋立で行われるイベント

天橋立まち灯り ぶらり散策

天橋立で開催される主なイベントを紹介します。

・天橋立まち灯り ぶらり散策(7月)
「天橋立まち灯り ぶらり散策」は、天橋立の街を和の灯りでライトアップするイベントです。智恩寺をはじめ、ライトアップした街並みを散策できます。

・天橋立砂浜ライトアップ(7月)
「天橋立砂浜ライトアップ」では、天橋立海岸の砂浜をブルーの色にライトアップします。幻想的な風景は、息を飲む美しさです。

・文殊堂・出船祭(7月)
「文殊堂・出船祭」は、智恩寺に伝わる伝説「九世戸縁起」を再現したイベントです。松明が灯された海上舞台で、金銀2頭の龍が舞います。

・天橋立・炎の架け橋(10月)
「天橋立・炎の架け橋」は、天橋立に火を灯し、天に願いを届けるイベントです。200基のかがり火による「炎の架け橋」は圧巻のひと言!

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瀬戸内海に浮かぶ世界遺産の厳島神社がシンボル【宮島】

宮島

広島県に位置する宮島は、瀬戸内海に浮かぶ世界遺産の厳島神社の大鳥居がシンボルです。朱塗りの大鳥居と、美しい海のコントラストが多くの人を魅了し続けています。古来より神々の島として崇められ、島全体が聖地化しているため、豊かな自然が残るのも宮島の特徴のひとつ。秋になると真っ赤に色づく紅葉が楽しめる「紅葉谷公園」も人気です。

宮島の絶景の楽しみ方①:満潮と干潮で異なる大鳥居を撮る

厳島神社 大鳥居

宮島には、様々な撮影スポットがあります。なかでも、厳島神社の高舞台から鳥居側に突き出した部分「火焚焼前(ひたさき)」は、大鳥居を真正面から写真に収められるおすすめの撮影スポットです。

撮影する際は、約6時間おきの満潮と干潮の時間をチェックしてくださいね。満潮時なら、宮島へ向かうフェリーのデッキから撮影するのもよいでしょう。

宮島の絶景の楽しみ方②:弥山の頂上から瀬戸内の眺めを楽しむ

弥山の頂上からの景色
写真提供:広島県

宮島には、原始的植物が自然のまま残る山「弥山(みせん)」があります。弥山の頂上からは瀬戸内海を一望できるため、絶好の撮影スポットといえるでしょう。

標高535mの山頂までは徒歩でも登れますが、宮島ロープウェーに乗って空中散歩を楽しむのもおすすめです。山麓にある大聖院には、1,200年間燃え続けているとされる「消えずの火」があり、恋人の聖地となっています。
https://www.miyajima.or.jp/sightseeing/ss_misen.html

絶景以外にも「寺社仏閣巡り」や「食べ歩き」が楽しめる!

もみじ饅頭
写真提供:広島県

宮島の周りには厳島神社や大聖院などの寺社仏閣が点在しているため、宮島は寺社仏閣巡りやパワースポット巡りにも人気があります。

そのほか、宮島グルメを堪能するのもおすすめです。広島の銘菓「もみじまんじゅう」を天ぷらにした揚げもみじや焼き牡蠣など、宮島にはおいしいものがたくさんあるのでぜひ食べ歩きを楽しんでください。

宮島で行われるイベント

宮島 管絃祭
写真提供:広島県

・玉取祭(8月)
戦国時代から続く「玉取祭」は、海中に組んだやぐらに裸の若者が飛びつき宝珠を落とす行事です。注進所に宝珠を持ち込んだ人には、幸運が約束されると言い伝えられています。

・宮島 管絃祭(8月)
「宮島 管絃祭」は、10日間に渡って繰り広げられる厳島神社最大の神事です。瀬戸内海を舞台にした平安絵巻を思わせる、宮島ならではの優雅なお祭り!

・たのもさん(8月)
「たのもさん」は、秋の夜の風物詩です。島への感謝を示すため、お供え物を乗せた「たのも船」を流します。

・宮島ローソクまつり萬燈会(9月)
「宮島ローソクまつり萬燈会」は、大聖院において供養物である燈明を献じ、鎮魂と世界平和を祈る行事です。

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旅Pocket 編集部
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